秋の願いは恐ろしい

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秋。
公園には沢山の色づいた落ち葉。
サクッサクッと踏むと気持ちのいい音がする。大人はその音に哀愁を感じ、静かに音を楽しみながら物思いにふける。子供や散歩犬は音だけに興味を向けその上ではしゃぐ。足で踏みしめたり手に取り空に舞ってみせたり。見ているだけで微笑ましい秋の公園の風景。

しかし、
「ちょっとこれから冬眠に入る為の大切な時なのよ。食べ物探して蓄えて。折角集めた食べ物を勝手に空へ放り投げるのやめてちょうだい!」
落ち葉の下の虫たちには大迷惑。冬眠準備どころではない。虫たちは木々に相談をした。
「落ち葉を無くしてもらえないだろうか」と。木々は風に相談し「ぼくらの落とす葉を君たちで遠くへ飛ばしてくれないか」と。「いいよ」と風は言った。
風は勢いよく吹いた。落ち葉を1枚足りとも公園に残すまいと力強く風を吹いた。結果、公園には1枚も落ち葉は無くなった。そして虫たちも飛ばされ居なくなった。
ファンタジー
公開:18/11/06 21:59

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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