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世界一の営業マンを自負する私は今日、見たことも聞いたこともない島に降り立った。
そこは雪の降る小さな島だ。天然資源が豊富でどの国も喉から手が出るほど欲しいはずなのに誰も手を出していない。
聞けば、この島は昔から不思議なことがよく起こり、怖がって誰も近づかないとか。
バカバカしい。そんなことだから後手に回るのだ。神をも恐れぬ私は先手を行かせてもらう。
島のコーディネーターが私に傘を勧めてきた。
何だこれは!重すぎるぞ!
「鋼鉄の傘です」
バカか!何の必要がある!
私は鞄から折り畳み傘を取り出した。
コーディネーターが「鱈が降りますよ!」としきりに注意する。
やはりバカだ。鱈なんて降るわけないだろう。降るのは雪だ。
きっとこのバカさ加減に各国諦めたんだな。
そう思った私の額から血が出ていた。気付けば私の全身に鋭く尖った鱈が何匹も刺さっていた。
「あ~あ、だから言ったのに…今日は矢鱈降るんだよ」
公開:18/11/06 18:50

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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