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昨今の流行りは『本を飼う』こと。
本を深く愛でていると、そのうち本の方から飼い主にすり寄って自分のことを色々と話してくれるようになるのだ。
僕は両親にTSUTAYAで買ってもらった洋書を飼い始めた。
最初の頃はコミュニケーションが取れず、洋ちゃんが何を求めているのか全く理解出来なかったが、一月経つ頃には話が聞き取れるように。まるで人間の子供が少しずつ話し始めるみたいに、洋ちゃんとの会話は散歩中にも徐々に増えていった。英語は苦手だったので自分でも驚いた。洋ちゃんとは三月経つ頃には意志疎通出来るようになり、毎日凄く嬉しそうに僕にすり寄ってきた。
そんなある日、とある小説が映画の原作に選ばれた。途端にそれを飼い、小説の内容を頭に入れ映画を観に行く人が増えたが、ある時人懐っこい散歩中の子が、スクランブル交差点の真ん中で大声であらすじを話してしまった。
以後、本の散歩は禁止されることとなった。
ファンタジー
公開:18/11/06 21:00
更新:19/11/17 21:09

ことのは もも。( 日本 関西 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていこうと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

カントー地方在住
 

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