G家族

5
5

 今日、じいちゃんの葬式があった。
 小さいとき、毎日遊んでくれたのをよく覚えている。体の節々が痛いなんて言いつつも、一緒に家中を駆け回ってくれた。
 好奇心に駆られ、危ない所に行って両親に叱られたときも、唯一味方してくれた。
 でも、大きくなるにつれて、友達と遊ぶ方が楽しくなってしまった。どんどん会話が減っていったことを、今になって後悔している。
 いつか死んでしまうことはわかっていたはずだ。なのに、なぜかずっと側にいるような気がしてた。
「スプレーをかけられて、あんなにあっけなく死んじゃうなんて…」
 ゴキブリだからっていうだけで、人間に殺されたじいちゃん。
 僕らにだって大事な家族がいる。これ以上悲しいことなんて、ないだろう。
その他
公開:18/11/06 16:16
更新:18/12/29 16:56

中江光太( 東日本と西日本の間 )

読んでくださりありがとうございます!

小さいときから本が好きで、
一年くらい前からちょくちょく小説を書いています。

主に推理小説を読みますが、
最近は別のジャンルもときどき読みます。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容