百万本のバラを実現方向で検討する

『百万本のバラ』という歌を御存知だろうか？
貧しい絵かきが、恋する女優に百万本のバラを贈る歌。

これを我が社（花屋）で、現実に可能か論議した。
「えー、原価１本５０円の……」（仕入れ）
「定価２億！？豪邸買えるね」（店舗）
「輸入で５千万。貧乏画家リッチ疑惑」（経理）
「最低３千。いっそローンか」（仕入れ※最近家購入）
「……いや、株で増やせば」（園芸）
「もう農園ごと行く」（渉外）
「それより並べ方。バケツ何個？」（資材）
「広場の面積も謎。１輪５cmとして、約東京ドーム５個」（開発）
「運搬コストと人件費と労力」（経理＆人事）
「輸送に鮮度管理」（物流）

「よし海外だ」
「社長！」（全員）
「皆ご苦労さん。……百万本のバラ？耳が早いな」
全員きょとん。早いって何が？
「先月買った、ケニアのバラ農園の話だろう？丁度良い」
――ぽん。
社長が渉外（＝俺）の肩を叩く。
「来月から頼むぞ」