リミット

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本で読んだ話だが、哺乳類の生涯心拍数は、どれも大体同じに設定されてて、その限界値を超えると、心臓が止まって寿命が来るらしい。
まるでタイマー付き時限爆弾だ。
となると、心臓が急いで鼓動を打つだけ、タイマーのカウントは短くなり、結果早死にしちまうのか。
こりゃ参った大問題だぞ。
要するに、君の隣にいればいるほど、僕の時間は急速に減る。場合によったら、明日にも爆発するかも。

さすがに命が懸かるとなると、楽天家の僕も悩んだ。
まる一日うんうん悩んで至った結論には、隣にいようが離れてようが、僕が君の事を考えるのをやめない限り、僕のタイマーは節約できない。
で、僕に君の事を考えるのをやめろってのは、心臓を動かすなってのとほぼ同義語だから、ならこのまま君の隣にいた方が、僕の人生は明らかに有意義だって事。

それにある意味、僕の心臓(いのち)を君が握ってるってのも、実に刺激的でロマンチックじゃないか。
青春
公開:18/11/04 19:54

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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