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ある男が話しかけてきた。

君は助からない。
俺の言う通りにしても絶対ここからは出られないだろう。
一生やつらの言いなりになっていればいい。

うるさいな。だったら放っておいてくれよ。
けれど男は続ける。

君の耳には聞こえた声が反転して聞こえる機械など付いていない。
数年前に行われた人体実験の被験者じゃ無いんだろう?君は。
あえて周りの人間に、悪口を言わせ続けないようにしたり、誉めさせないようにする。
そうして被験者を混乱させなかったらどうなるのかという実験の。

なに言ってるんだ。こいつは。
いつも笑顔で罵られて、嫌な顔で誉められて。本当に嫌なんだよ。もう。
どうせ閉じ込められたこの部屋からも出られない。

俺も被験者ではなかった。
だけどある日、本当のことを教えてもらえなかった。

すると男は、僕の耳から何かをもぎ取り、叫んだ。

もう一度言う。君は助かる。
俺が助ける。大丈夫だ。
ミステリー・推理
公開:18/11/04 17:17
更新:18/11/04 21:51

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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