じいじのマイブーム

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ある日突然、じいじの髪の色が変わっていた。後ろで結った髪型は同じだけど、茶色だった髪が、緑っぽくなっていた。
「髪の色変だよ?」
「いかすじゃろ。雀よりもメジロがまいぶーむじゃ」
確かに。髪の色はメジロの羽によく似ていた。
じいじが猟に出るというので、僕も連れてってもらった。
裏山を少し登ると、森の中に鳥籠が置かれていた。じいじは籠の中に果物を放り込み、ピィユゥイーっと口笛を鳴らした。すると、沢山の野鳥がじいじの周りに集まってきて、次々に籠の中に入っていった。
「仲間の鳴き声と勘違いするんじゃ」
じいじは籠の中から綺麗な羽のメジロだけを取り分けて、腰にある紐で一羽ずつ結んでいく。
まるで魔法みたいだ。
僕もやってみたい!
紐がどこかに……あった!
僕はじいじの髪を結っていた紐を解いた。
「あ、こらっ!」

バサバサッ!

途端にじいじの髪の毛が沢山のメジロに変化して、空に飛び立っていった。
ファンタジー
公開:18/11/02 18:28
更新:18/11/02 18:34
スクー 取り分けるカーキ色 また飛ばしてしまった…

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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