紅葉灯

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この町には人々の暮らしを優しく見守っているものがある。
丘の上の、モミジトウと呼ばれるとても大きな紅葉の木だ。

この木は、秋になると美しい紅色にその葉を変化させ、人々の目を楽しませてくれる。

そしてもう一つ。
夜になると、その葉一枚一枚が美しく輝き始めるのだ。
秋の夕暮れの明かりを吸い込んだそれらは、夜になってもその熱を灯し続ける。

その葉たちはしばらくすると、木のもとを離れて、人々の町へと続く川を流れていく。
町にたどり着くと、まるで人々を暗闇の不安から守るように、夜道を優しく照らす。

木は、小さな山にならば勝るほどの大きさがあるため、季節が秋から冬になるまでの間ずっと町を照らし続ける。

この町には人々の暮らしを優しい灯りで見守る、一本の木がある。

今日も優しい明かりの中、町の人たちの穏やかな時間が流れていく。
ファンタジー
公開:18/11/02 21:33
紅葉

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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