イエスマン

0
4

僕は会社に何の不満もない。
残業も休日出勤も未払い賃金もない。パワハラやセクハラも存在せず、社員が安心して働ける職場だ。
その為、この会社にはイエスマンが多い。断ってしまっては申し訳ないし、急に仕事を振られても問題ないからだ。
むしろ頼られていると思うと俄然やる気が出てくる。僕は今日も頑張って働いていた。

ある日、社長に呼び出された。
「君の話は聞いているよ。どんな仕事も嫌な顔一つせず頼りになると」
社長に褒められ恐縮する。
「そして君はノーと言わないイエスマンだと聞いている。とても立派なことだ。私はそんな君からノーを貰いたい。儂に君のノーをくれないか?」
僕は何も考えず「はい!」と答えた。
「そうかそうか。では、さっそく頂こう」
そう言うと社長はどこからメスを取り出し、僕の頭に突き付けた。
「君の脳を貰うよ。後のことは心配しなくていい。我が社の最新鋭のスマホを君の頭の中に入れるから」
SF
公開:18/11/01 18:27

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容