朝、目覚めると俺の義理の妹がゾンビになっていた件 21

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それは突然起こった。いや、どちらかと言えば前々からその兆候は感じていた。そう、奴らが暗躍し出したのだ。
黒い翼の悪魔、別名、カラスである。
どうやら、奴らはアリサの体から微かに漏れる死臭に群がってやって来た様だ。
「くそ~、市販の防腐剤や消臭スプレーぐらいでは奴らの嗅覚を騙せないと言う事か。鳥類、恐るべし」
奴らは俺達をあざけ笑うかの様に電線に足を休ませ、油断するのを虎視眈々と待っている。少しでも油断しようものなら空の上から急降下してドリルの様な鋭い嘴で突いて来る。それも一羽、二羽ではなく、十羽単位である。あんなものに襲われたら防弾チョッキやヘルメットだって容易に穴が空いてしまうだろう。まるで奴らはギャングの様だ。
「お兄ちゃん、大丈夫」
「安心しろ。アリサの事はお兄ちゃんが絶対に守って見せる。だから、店の外へは出て来るな。いいな」
「うん、分かった。でも、お兄ちゃん、無理はしないでね」
公開:18/11/01 16:11
更新:18/11/03 12:10

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