2
5
女が薄汚れた大きな瓶を抱きしめて座っている。
随分持ちにくい物を抱えているその異様なさまは、周りからなかったものとして視界からはぐらかされていた。
「あんた!こんなところ座ってないでお国の為に働きなさいよ!あんただけ苦しいんじゃないんだ!」
苛立ったカヨが見つけて言った。そして、瓶に触ろうとした。
「や、め、ろぉお!これに触るなぁぁ」
嗄れ声でカヨを睨むように女は瓶を庇った。カヨも負けてない。
「気色悪いんだよ!捨てなさいよっ!」
カヨは言い不意に瓶の中を覗いてしまった。すぐ腰を抜かし声が次に出ない。傍観者のように見てた人々もその様子は只事ではないと寄ってきた。
「あっ!あっ!、あの中に赤ん坊が詰めてある」
そう告げるとその場で吐いた。
その女がブツブツ言う。
「この瓶の子は私のお腹の中。ぬる燗で、そして引き潮に乗せてまだ私の元に来る前に戻しましょう」
…山姥…。女を制しできる者はおらず。
随分持ちにくい物を抱えているその異様なさまは、周りからなかったものとして視界からはぐらかされていた。
「あんた!こんなところ座ってないでお国の為に働きなさいよ!あんただけ苦しいんじゃないんだ!」
苛立ったカヨが見つけて言った。そして、瓶に触ろうとした。
「や、め、ろぉお!これに触るなぁぁ」
嗄れ声でカヨを睨むように女は瓶を庇った。カヨも負けてない。
「気色悪いんだよ!捨てなさいよっ!」
カヨは言い不意に瓶の中を覗いてしまった。すぐ腰を抜かし声が次に出ない。傍観者のように見てた人々もその様子は只事ではないと寄ってきた。
「あっ!あっ!、あの中に赤ん坊が詰めてある」
そう告げるとその場で吐いた。
その女がブツブツ言う。
「この瓶の子は私のお腹の中。ぬる燗で、そして引き潮に乗せてまだ私の元に来る前に戻しましょう」
…山姥…。女を制しできる者はおらず。
ホラー
公開:18/11/01 23:00
更新:18/11/05 02:12
更新:18/11/05 02:12
スクー
引き潮ぬる燗
最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。
「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。
なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。
でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。
Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2
ログインするとコメントを投稿できます