働き続けたロボット

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 150年間働き続けたロボットがいた。
 雨の日も風の日も、一度も休むことはなかった。
 そのロボットがついに今日、最後の仕事を終える。
 一日が終わり、ロボットはとある工場へ運ばれた。そこで解体されるのだ。
 工場の作業員は黙々と解体を進めた。てきぱきとロボットから電源が取り外され、電子回路が取り除かれる。
 そうして、機能が完全に停止する瞬間だった。作業員は耳を疑った。ロボットが妙な言葉を口走ったのだ。
「楽シカッタ」
 一瞬、作業員の動きが止まる。そして、慌ててロボットに耳を寄せた。
 ただのバグなら問題はない。しかし、ロボットにそんな学習機能があったのなら、これからのロボットの在り方が変わってしまう。もしロボットが自分の意志で喋ったのだとしたら……。
「おい、今何て言った? お前には自我があるのか?」
 作業員は、必死で聞き返した。
 ――けれど、ロボットはもう何も答えなかった。
SF
公開:18/11/01 20:27

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