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街外れにある断頭台と、市街地の歩行者天国とを繋ぐ数十万個のLEDの点灯式が、数千人の若者が集う歩行者天国で、本日も執り行われようとしていた。
今夜のイベントは、イルミネーションで出来た隠れキャラを発見すると、フィンランド旅行が当る、というものだ。若者達はスマホを手に、思い思いの場所に陣取って、液晶画面を覗き込んでいた。
カウントダウンが始まる。
3.2・1・0!
ギロチンが落下すると、イルミネーションが点灯し、歩行者天国は眩い光と歓声とに溢れた。
断頭台では、後片付けを担当する役人が二人、頭上を見上げていた。
「あれ、パーマンじゃないか?」
「こんなとこに? ま、試しに送ってみるか」
役人は嬉しそうに写真を撮り、GPSデータ付きでメールを送付した。
「当たるかな?」
「当たんないよ」
そう言いながら、二人はなんとなく嬉しくなって、昨日より早く処理を終えて、職場を後にした。
今夜のイベントは、イルミネーションで出来た隠れキャラを発見すると、フィンランド旅行が当る、というものだ。若者達はスマホを手に、思い思いの場所に陣取って、液晶画面を覗き込んでいた。
カウントダウンが始まる。
3.2・1・0!
ギロチンが落下すると、イルミネーションが点灯し、歩行者天国は眩い光と歓声とに溢れた。
断頭台では、後片付けを担当する役人が二人、頭上を見上げていた。
「あれ、パーマンじゃないか?」
「こんなとこに? ま、試しに送ってみるか」
役人は嬉しそうに写真を撮り、GPSデータ付きでメールを送付した。
「当たるかな?」
「当たんないよ」
そう言いながら、二人はなんとなく嬉しくなって、昨日より早く処理を終えて、職場を後にした。
その他
公開:18/10/31 21:52
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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