自慢話

「聞いてくれよ。この前、新しく買った俺の車、なんと３千万円もするんだぜ。」
「それは凄いですね。」
「それだけじゃないぜ。５００馬力のモンスターエンジンを積んでいるんだ。だから、一瞬で最高時速８０キロに到達できるんだ。」
「ほお、それは凄い。」
「他にも、視界が見やすいし、長時間運転していても全然疲れないんだ。」
「へぇ～、そうなんだ。お金持ちの道楽を超えて馬鹿ですね」
「どういう意味だい」
「だって、今、日本中のガソリンスタンドがどんどん廃業しているんですよ。田舎に限らず、都会も。だから給油する場所なんて、もうどこにも無いのに。最近は石油の輸入もストップしてしまったからね。電気自動車ですら走っていません。車の税金が５０％になったからでしょうけど。維持費が大変ですよ。高級車は。一年後には１５００万円の支払いが待っているのでしょう。売ろうとしたって誰も買い取ってくれませんよ。あんな粗大ごみ」