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俺の乗った船が難破し、やっと流れ着いたこの島は「あるへい島」と呼ばれていた。
細長い島全体を、血のように赤い花が覆っていた。島には村落があり、数十人の住民が暮らしていたが不思議なことに男はおらず、全て若い女だった。
「男たちは何処かに出かけているのか?」
と、問いただしても曖昧にはぐらかされる。となれば、若い女たちに囲まれてヤルことは一つだ。俺は楽園のような日常を愉しんだ。
数ケ月が過ぎた或る日のこと。
女たちは突然村を出て行き、浜辺で手を繋ぎ海の向こうを眺めていた。その先にこちらとそっくりの形の、青い花で覆われた島が見えた。向こうにはただ一人の女を除き、十数人の男しか居ないようだ。
青い島はどんどんこちらに近づき、遂に二つの島は衝突し、絡み合うように一つの島へと変貌した。
気がついた時には、すでに青い島は海の向こうへ遠ざかっていた。
そしてあたしは、女へと生まれ変わっていたのだ──。
細長い島全体を、血のように赤い花が覆っていた。島には村落があり、数十人の住民が暮らしていたが不思議なことに男はおらず、全て若い女だった。
「男たちは何処かに出かけているのか?」
と、問いただしても曖昧にはぐらかされる。となれば、若い女たちに囲まれてヤルことは一つだ。俺は楽園のような日常を愉しんだ。
数ケ月が過ぎた或る日のこと。
女たちは突然村を出て行き、浜辺で手を繋ぎ海の向こうを眺めていた。その先にこちらとそっくりの形の、青い花で覆われた島が見えた。向こうにはただ一人の女を除き、十数人の男しか居ないようだ。
青い島はどんどんこちらに近づき、遂に二つの島は衝突し、絡み合うように一つの島へと変貌した。
気がついた時には、すでに青い島は海の向こうへ遠ざかっていた。
そしてあたしは、女へと生まれ変わっていたのだ──。
ファンタジー
公開:18/11/01 00:05
更新:18/11/01 16:16
更新:18/11/01 16:16
有平糖
床屋のくるりん棒みたいなやつ
(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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