大きな徳利
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貧相な男が川で水浴びをしていると、川上から「とっくりこー、とっくりこー」と、大きな徳利が流れてきた。男がその徳利を抱え上げる。
「冷たっ!」
その徳利はキンキンに冷えていた。男が中を覗く。金が入っていた。それもギッシリ詰まっている。こうして男は大金持ちとなった。
強面の男が川で魚釣りをしていると、川上から「とっくりこー、とっくりこー」と、大きな徳利が流れてきた。男がその徳利を抱え上げる。
「熱っ!」
その徳利はアツアツに熱せられていた。男が中を覗く。女が入っていた。男に熱い眼差しを送っている。こうして男は嫁をもらった。
そんな話を聞いたチャラい男が川へ行った。お目当ての徳利が流れてくる。下衆な笑みを浮かべながら、それを抱え上げた。
「ぬるいな……」
男が中を覗く。ぬるっとした酒臭いバケモノが出てきた。そのバケモノが男の体をぬるっと包み込む。
男の意識は引き潮のように、遠ざかっていった。
「冷たっ!」
その徳利はキンキンに冷えていた。男が中を覗く。金が入っていた。それもギッシリ詰まっている。こうして男は大金持ちとなった。
強面の男が川で魚釣りをしていると、川上から「とっくりこー、とっくりこー」と、大きな徳利が流れてきた。男がその徳利を抱え上げる。
「熱っ!」
その徳利はアツアツに熱せられていた。男が中を覗く。女が入っていた。男に熱い眼差しを送っている。こうして男は嫁をもらった。
そんな話を聞いたチャラい男が川へ行った。お目当ての徳利が流れてくる。下衆な笑みを浮かべながら、それを抱え上げた。
「ぬるいな……」
男が中を覗く。ぬるっとした酒臭いバケモノが出てきた。そのバケモノが男の体をぬるっと包み込む。
男の意識は引き潮のように、遠ざかっていった。
その他
公開:18/10/31 23:55
引き潮ぬる燗
スクー
まったり。
2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)
壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)
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