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「あっ、その額縁に入ってる釘の刺さった離婚届は触らないで」
私は出雲大社で巫女をしている明子に注意された。
「あっごめん。勝手がわからなくて」
「あっ、こちらこそ事務所の倉庫の片付け手伝ってもらってるのに。でも脅かす訳じゃないんだけど、その離婚届は触らない方がいい。災いが起こるから。その棚気持ち悪いでしょ。額縁の中に釘の刺さった離婚届。周りには出雲大社には似つかない白紙の離婚届がどっさり。各都道府県の離婚届が揃った状態なの」
「なんでまた」
片付けの手を止めずに明子は言った。
「私も謂れはわからないんだけど、とりもつ縁もあれば、 断つ縁もあるということよ。でもどうしても断つ縁であってもそこに踏み止まるようにしなくてはならない。それを踏み止まるようにする為の結界のようなものがコレ」
「それじゃまるで呪い…」
と言いかけた私の口に明子はそっと人差し指を当てた。
「だから内緒よ」
私は出雲大社で巫女をしている明子に注意された。
「あっごめん。勝手がわからなくて」
「あっ、こちらこそ事務所の倉庫の片付け手伝ってもらってるのに。でも脅かす訳じゃないんだけど、その離婚届は触らない方がいい。災いが起こるから。その棚気持ち悪いでしょ。額縁の中に釘の刺さった離婚届。周りには出雲大社には似つかない白紙の離婚届がどっさり。各都道府県の離婚届が揃った状態なの」
「なんでまた」
片付けの手を止めずに明子は言った。
「私も謂れはわからないんだけど、とりもつ縁もあれば、 断つ縁もあるということよ。でもどうしても断つ縁であってもそこに踏み止まるようにしなくてはならない。それを踏み止まるようにする為の結界のようなものがコレ」
「それじゃまるで呪い…」
と言いかけた私の口に明子はそっと人差し指を当てた。
「だから内緒よ」
ホラー
公開:18/10/30 23:10
更新:18/11/01 19:26
更新:18/11/01 19:26
スクー
離婚届を揃えている出雲大社
最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。
「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。
なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。
でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。
Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2
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