やかん、自我崩壊

やかんかんかん
やかんが怒っている。
この家は母、息子、やかんの三人暮らし。息子が心配する。
「母さん、やかんが怒ってる。」
「大丈夫、いつものこと。」
やかんかんかん
やかんは怒り続けている。そのうちやかんは、自分は缶なのかやかんなのかわからなくなってきた。缶だとしたらアルミ缶か、スチール缶か。
やかんあるみかんすちーるかんあるみかんやかんすちーる
どんどん混乱していく。もしかしたらみかんかも。
やかんあるみかんみかんすちーるかんみかんあるすちル△にapラD3
これはいけない！母、抱きつく。
じゅわわー
火傷。それでも、離れない。
「あなたはやかん。私の大切なやかん。」
必死に語りかける。
や、やかん、？やかか、ん？や、や
「そうやかん！あなたはやかん！」
やかん！やかん！やかん！
母の必死の呼びかけに、やかんはやかんであることを確信。皆感動し、涙を流した。
仲良く暮らしましたとさ。