ドン・キホーテで買った月 平安時代

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牛車は街はずれの鈍器布袋屋へ、附子少納言がご意見をしたために参った。
平安の世は女から声をかけるはご法度。筆談である。
店主はまた附子少納言様はあの「まやかしの栗名月」の件でご意見かとため息ついた。
筆認める。
『あの栗名月、当初は良き。柳髪輝かせ、殿方は我に恋し。が、暁起き去る、効果無かろう。新や栗名月ほしいよな』
「少納言様、まやかしの栗名月はかぐやの姫様から取引をしたものでございます。ご承知のようにかぐやの姫様は月にお帰りに。故にもうまやかしの栗名月は手に入らないのでございます」
筆認める。
『違おう月の使者探したもおう』
「また難儀なことを…」
筆認める。
『金五千也』
「こんなに!確か常陸の国に彦星という名の男が」
筆認める。
『務めてまいれ』
少納言様お帰りなる。
「附子の毒に侵されたお顔と役職名を頂いた方。ブスはまやかしに頼らないとな」
これがブスの語源かと存じておりまする。
その他
公開:18/10/31 01:14
更新:18/10/31 21:17
スクー ドン・キホーテで買った月

さささ ゆゆ( 神奈川 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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