ハロウィン

その日、町は秩序を失った。
『ハロウィン最高！』
誰もがそう口にし迷惑行為を繰り返す。チカンやスリ等の犯罪行為も多発する。誰も気にしない。
毎晩こんなに騒げりゃいいのにな…
俺の言葉に隣の男も同意する。こいつとはさっき仲良くなった。
しかし、もうすぐ夜明け。この騒ぎももう終わりか…
「もう一軒行かないか？」
そう言われ、俺は男のお勧めの店に入った。
良い店だ。ここではまだパーティが続いている。俺もその輪に加わった。

さすがに疲れたしもう眠い。俺は店を出た。
店を出ると外は一面の荒野だった。
俺は男に詰め寄る。ここはどこだ！
「どこって地獄だよ」
何言ってやがる！冗談はよせ！
「いやいや冗談でも何でもないさ。俺はハロウィンに呼ばれてやってきた悪霊だ。なら、帰り際に生きた人間を連れて帰るのも当然だろう？それにあの騒ぎだ。何人か消えても誰も気にしない。ああ、日本のハロウィンは本当に最高だな！」