てっぺんのポラリス

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朝が来る


今日もボクは自転車を漕ぐ

漕いでも漕いでも同じ景色

小屋からの霧にかすむ眺め


急ぎ足で旅人が通る

いろんな風景を見られる彼が、ほんの少し羨ましい



日が暮れる


一日かけて蓄えた電気で、一本杉のてっぺんに電球が点る

霧の晴れないこの村で、たった一つの光


心もとない灯りも、時として旅人を救う

ふだん静かな村がざわめく


ボクは疲れて眠っている



朝が来た


今日もボクは自転車を漕ぐ

昨日とほとんど同じ

変わらない景色の中で


ありったけの力を

ペダルを踏み、注ぐ
その他
公開:18/10/29 17:29
更新:18/11/01 22:44

けんじゅう

せっかくいろいろなジャンルを用意していただいているので、
一つのテーマ(タイムカプセル)で全ジャンル書いてみようかなぁ、
なんて思う今日この頃。

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