9. ワンダーメーカー

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雪の降る街。
街から戻ったおいらはラボの扉を開けた。
「師匠、遅くなりました!」
師匠はコーヒーを片手に、オセロを楽しんでいた。
『寒い中、ご苦労』
大量のガラクタを師匠の目の前に広げる。
『みかんの皮に畳の切れ端におにぎりのフィルム、素晴らしい』
「話にならないものばかりです」
ストーブで暖まりながら、答える。
『それがいいのさ』
師匠は鼻唄まじりに想材を選ぶと、夢ミルで粉にし出した。
そこに溶かしばたあを加えて、よく練る。
出来上がった生字は、そのまま使うか寝かせるかで仕上がりも変わる。
丸めた生字を、ワンダーメーカーに入れる。
想像が膨らみだすと、しゃぼん玉になった。
色とりどりのしゃぼん玉はラボの煙突から飛んでいく。

『そろそろ、ひとつ作ってみるか?』
おいらはワクワクした。
どんなお話を飛ばそうかな。







彼らは、不思議なお話職人。

そう、ここはワンダーのフル世界。
その他
公開:18/10/29 16:11
更新:18/10/29 16:45

そるとばたあ( 神奈川 )

★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!

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