秋羹
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休日。気の向くままに電車で出かけるのが私の趣味で、今日はこんなものを発見した。
しゅうかんはじめました
そんな風に書いてあるのぼり旗。そこは小さな和菓子屋さんだった。
店内に入ると、世界の音が消えたみたいに静かで背筋がぴしっとしてしまう。
「いらっしゃいませ。どのようなものをお探しですか」
「あの、お店の前に書いてあったしゅうかんっていうのがどういうお菓子なのかな、と思って」
うわぁ、美人さんだ。なんてことを思いながら聞いてみた。
出てきたのは透明な羊羹だった。その中に波紋のようなものが広がっており、中心に赤と橙のグラデーションが綺麗な紅葉がひとつ。
羊羹の下あたりには落ち葉の色鮮やかな絨毯。
「秋になると毎年拵えているんです。秋の羊羹と書いてしゅうかんという名前で。この菓子屋に来るのを習慣にしてもらえたらありがたいなという思いも込めてるんです」
……これは来ざるを得ないな。
しゅうかんはじめました
そんな風に書いてあるのぼり旗。そこは小さな和菓子屋さんだった。
店内に入ると、世界の音が消えたみたいに静かで背筋がぴしっとしてしまう。
「いらっしゃいませ。どのようなものをお探しですか」
「あの、お店の前に書いてあったしゅうかんっていうのがどういうお菓子なのかな、と思って」
うわぁ、美人さんだ。なんてことを思いながら聞いてみた。
出てきたのは透明な羊羹だった。その中に波紋のようなものが広がっており、中心に赤と橙のグラデーションが綺麗な紅葉がひとつ。
羊羹の下あたりには落ち葉の色鮮やかな絨毯。
「秋になると毎年拵えているんです。秋の羊羹と書いてしゅうかんという名前で。この菓子屋に来るのを習慣にしてもらえたらありがたいなという思いも込めてるんです」
……これは来ざるを得ないな。
その他
公開:18/10/29 23:35
羊羹
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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