自然配色協会 夏支部

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季節の終わり、新しい季節に向かう自然へ、新しい色を与えて回る。
それが僕ら自然配色協会の仕事だ。
やっと実働隊への編入が決まった僕はウキウキと出勤したものの、直後、辞令を見て絶句した。

夏支部・緑課・担当色――鶯色。

せっかく鮮やかな色彩溢れる夏支部に配属になったというのに、まさか担当が鶯色だなんて。

落胆しつつ、春の色が褪色したかのような鶯色を抱えて先輩と森へ入る。と、すぐにたくさんの鳥が姿を見せた。
「ほら、まずは鶯に分色しておいで」
先輩が言うのに、僕は首を傾げた。
「でも鶯って、先輩みたいな色でしょ」
先輩の担当は澄んだ萌黄で、夏の新緑に相応しい色をしている。
「これはメジロの色。ほら、あっちが鶯」
先輩に促された先には、僕の持つ色と似た鳥が一羽。
その凛とした姿に吸い込まれるように色を分けると、新しく褪せた色を受けた鶯は、高い声を空の端まで響かせて、鮮やかに夏へ飛び立った。
ファンタジー
公開:18/10/29 22:50
スクー 取り分けるカーキ色

ゆた

高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。

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