満月の夜

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「今どこ?ちゃんと言われた2両目の電車に乗ったよ」
カコは彼に言われた2両目の電車に乗り込んだ。夕方で多少混雑している。

「まさか反対方向へ行くとはなぁ」ジュンは車内でカコが自分を見つけられるようにと出入口付近のつり革につかまっていた。しかし、意に反し自分が立つ方向と逆方向へと歩いていくカコを見つけ“まさか..”の展開だった。

「どこにいるの?」カコからメールが届く。「同じ車両にいるから大丈夫。人減ったらそっち行くから」なだめるジュン。安心し「同じ車両に乗ってるのにメールでやり取りって不思議」とカコ。「近くにいるのに会話できないってね」「見て外、お月さま」「満月かぁ」
3つ駅に停まると乗客も少なくなりジュンはカコの元へ行った。二人は笑顔をそれぞれに向ける。そして窓から見える月を眺めた。「綺麗な満月は二人で見るともっと輝いて見えるね」とカコ。ジュンはカコの頭を撫でながら「うん」と頷いた。
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公開:18/10/28 20:25

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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