縁日のアレン寺

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師走も24日をむかえた。
雪の降る午前二時。地蔵堂から錫杖の音が三回鳴る。
それは菩薩さまが月に一度の散歩に出られる合図だ。
修行中の身である私は、庫裏でひとり饅頭を焼いていた。
落雁すあま金平糖。最近では柿の種やハッピーターンがチョコで覆われている始末だ。
お寺は甘い。甘すぎる。
ここだけの話だけれど、私の師は甘いものが苦手だ。それでも食べものを粗末にするわけにはいかず、我々修行者にアレンジなさいとおっしゃられる。
私はいろんな調理法で甘いものをいただく努力をしてきたが、最近ではおなかとアゴまわりにその成果が出てきていた。このままでは若くして説得力のある雰囲気をもってしまう。私はまだ修行中の身。げっそりしているくらいが相応しいはず。
私は菩薩さまに甘いものが詰まった風呂敷を託した。
雪の降る町に響く錫杖の音はトナカイの鈴の如く。お顔の雪は白ひげの如く。
時代とともにアレン寺を。
南無。
公開:18/10/29 11:51

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