かぼちゃの骨

部屋の空気が乾き始める10月末。
祖母の家で遺品整理をしていたら古めかしいジャックオーランタンの置き物を見つけた。
時期的にちょうどよかったので家に持ち帰り、玄関のすぐ側に置いた。バスケットボールよりも少し大きめのそれは、下がり眉に半開きの口で少し情けない顔をしている。

「これ、何でできているんだろう｣

目元から中を覗き込めば白い芯のようなものになにかを貼り付けて作られたことは分かるが、素材は分からない。

「あ、やばい。行かなきゃ……｣

今日は友達とコスプレをして街に出る約束をしているのだ。急いで家を出ようとして足元に置いていた置き物を蹴ってしまったが、時間がないのでそのままにした。
今年もたくさんはしゃぎまわろうと意気込みマンションの階段を降ろうとしたとき、後ろから誰かに頭を蹴られたような気がした。不思議に思って振り向くと先程蹴ったかぼちゃの置物が足元に落ちていた。