人事部の次期エース
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人事部に異動した初日、何気なく置いてあったメモに驚いた。そこには早くも次の異動プランが記されており、同僚のミカから、彼女が憧れている田中係長のいる部署に、矢印が引かれていたのだ。
「あ、それね。どうも田中くんからも矢印伸びてるっぽいんだよね」
突然現れた人事部長は、私の盗み見には一切触れず、淡々と続けた。
「あ、うちの人事、すべて恋愛ベースだからね。なるべく効率良く、両想いをつくる。すると、やる気も湧いてきて、結果、会社の利益になる」
言葉を失った私に、部長はさらに思いがけないことを言った。
「ちなみに君は、うちの加藤が気に入っているね。加藤の方でも悪く思ってない。さっそく今日の帰り、飲みにでも行きなさい」
部長は、はしゃいた若い二人の背中を見送り、先ほど加藤が提出した新規事業計画に目を通す。
[社内での二股によるモチベーション向上については、まずは私をサンプルとして…]
「あ、それね。どうも田中くんからも矢印伸びてるっぽいんだよね」
突然現れた人事部長は、私の盗み見には一切触れず、淡々と続けた。
「あ、うちの人事、すべて恋愛ベースだからね。なるべく効率良く、両想いをつくる。すると、やる気も湧いてきて、結果、会社の利益になる」
言葉を失った私に、部長はさらに思いがけないことを言った。
「ちなみに君は、うちの加藤が気に入っているね。加藤の方でも悪く思ってない。さっそく今日の帰り、飲みにでも行きなさい」
部長は、はしゃいた若い二人の背中を見送り、先ほど加藤が提出した新規事業計画に目を通す。
[社内での二股によるモチベーション向上については、まずは私をサンプルとして…]
その他
公開:18/10/26 22:28
400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。
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