愚痴手当
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給料日の昼休み、私のささやかな楽しみは給与明細をぼんやりと眺めることだった。スマホでアクセスしてWEBの給与明細を開くと、なぜだか普段より給料が多い。今まで空欄だった特別手当の欄には50,000と記載されていた。
事務所に戻ると、運よく店長だけだった。
「すみません、店長。今月のお給料のことなんですが」
「ああ、愚痴手当のことかな」
「愚痴手当?」
「君、いろんな人の愚痴を嫌な顔せずに聞いてあげてるじゃない。そのおかげでうちの店がうまくいってるから、今月から手当を出すことになってね」
その時、事務所のドアがバーンと開き、パートの原田さんが怒鳴り込んできた。
「ちょっと店長!今月のお給料少ないじゃないの!」
「原田さん、明細は確認しましたか?」
「そんなパソコンのやつ、私に分かる訳ないじゃないの!確認させるなら紙で出しなさいよ!」
店長は困り顔で言った。
「愚痴税が引かれているんですよ」
事務所に戻ると、運よく店長だけだった。
「すみません、店長。今月のお給料のことなんですが」
「ああ、愚痴手当のことかな」
「愚痴手当?」
「君、いろんな人の愚痴を嫌な顔せずに聞いてあげてるじゃない。そのおかげでうちの店がうまくいってるから、今月から手当を出すことになってね」
その時、事務所のドアがバーンと開き、パートの原田さんが怒鳴り込んできた。
「ちょっと店長!今月のお給料少ないじゃないの!」
「原田さん、明細は確認しましたか?」
「そんなパソコンのやつ、私に分かる訳ないじゃないの!確認させるなら紙で出しなさいよ!」
店長は困り顔で言った。
「愚痴税が引かれているんですよ」
その他
公開:18/10/26 01:12
北海道出身です。
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