スマイル200%

「スマイル200%」それが絶対の社訓だ。いつでもスマイル。クレーム・残業・電話応対すべてにスマイル。スマイルアップで業績アップ・・。
発案者は社長。「1億総スマイル運動」などとと称した奇抜な言動でしばしばメディアを賑わす名物社長だ。
しかし、現場は辟易していた。笑顔というものは自然が一番のはず。過剰な「スマイル200%」など心のない作り笑いに過ぎない。怪しい宗教団体や独裁国家の子供等が見せるような薄気味悪い「機械的笑顔」が社内に蔓延し、我慢のピークを超えた社員達は、社長に直談判する事に。しかし社長は極上のスマイルで却下。
「スマイルが足りないからそんな事を言うのだ!今日からナチュラルスマイル300%にアップ!」
その後、不思議な事に社内から「機械的笑顔」が消えた。社長の思惑通りナチュラルというか、柔らかいというか、そんな笑顔に変わったのだ。
どうやら、皆ネジが2、3本緩んでしまったらしい。