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私は幼少の頃、孤児院で育った。
どうやら、私は捨て子だったらしい。
院長は私を拾った後、私を自分の子供の様に分け隔てなく育ててくれた。
だから私は高校生になるまで院長が母親だと思っていった。
でも、ある時、院長は私に真実を告げた。
私は親に捨てられた事を認めたくなくて暴走族に入った。

そんなある日、私の母親だと言う人物から会いたいと言う趣旨の手紙が届いた。
正直、私は迷った。
私を捨てた人間に今さら会っても・・・でも、会って文句の一つでも言ってやりたい。
私は葛藤の末、その母親に会う事を決めた。
待ち合わせ場所に行って見ると、そこにいたのは伯爵家の執事と初老の女性だった。
ああ、幸恵なの。会いたかったわ。
そんな訳で私は庶民から華族へ仲間入りを果たした。周りからは幸運な女性と評し、羨望の眼差しを浴びせられた。それと同時にお金を貸してくれと言う、親戚も増えた。その中にはあの孤児院の院長も。
公開:18/10/25 13:38

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