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星は瞬き、長い時間を越えてその光は届く。
強く弱く、不規則に、空気を震わせて伝わる声のように。

まるでモールス信号のように瞬く星の光を訳す、星訳会社で働いている。
星たちが本当に言葉を発しているのかはわからないが、ある程度の規則性で瞬きを訳すことができるのは事実だ。
星々から届く言葉は、短い単語ひとつの時もあれば、長い物語のような時もある。
たまに、誰かに届ける手紙のような言葉もあって、心に星が灯るような心地になることもある。

そんな時に思い出すのは、まだ星の言葉がわからなかった頃、約束を交わした星のこと。
あの星は今どこにいるのだろうか。
引っ越しをして、星空も変わって、すっかりどの星だかわからなくなってしまった。
また出会えたら、あの星はどんな言葉をくれるのだろうか。

星の言葉は心に効くらしい。
“たくさんの声”に疲れていた昔の自分に届けるように、訳した言葉をそっと空に囁いた。
ファンタジー
公開:18/10/25 12:03
働きたい会社

天宵 遥

言葉遊びや少し不思議なお話が好きです。
SSGプチコン1「花」優秀賞入賞

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