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降り積もる雪の中、僕と先輩はサンタの戻りを待っていた。
「先輩、この仕事のやりがいって何ですか?」
「一年に一度、子供達にプレゼントを配る手伝いをする。俺はこの仕事に誇りを持ってやってるぜ」
「でも感謝されるのはサンタだけですよ。子供達の笑顔も、手紙も、ミルクやクッキーだって。ソリを引っ張ってる僕や先輩には何もない」
「…転職考えてるのか?」
「ええ、まあ…」
「そっか」
「すいません」
「…サンタ遅いな」
サンタが入っていった煙突に目を向けた。
ふと、雪で白く染まった屋根にバスケットの取っ手のようなものが見えた。
口に咥えて持ち上げてみると、雪の中から牧草と野菜が入ったバスケットが現れた。
「となかいさん、ありがとう」
つたない文字で書かれたメッセージ。
「僕、もう少し頑張ってみようかな」
先輩が小さく笑った。
「ほら、サンタが出てきた。後、889万8404件だ。急ぐぞ」
「はい!」
「先輩、この仕事のやりがいって何ですか?」
「一年に一度、子供達にプレゼントを配る手伝いをする。俺はこの仕事に誇りを持ってやってるぜ」
「でも感謝されるのはサンタだけですよ。子供達の笑顔も、手紙も、ミルクやクッキーだって。ソリを引っ張ってる僕や先輩には何もない」
「…転職考えてるのか?」
「ええ、まあ…」
「そっか」
「すいません」
「…サンタ遅いな」
サンタが入っていった煙突に目を向けた。
ふと、雪で白く染まった屋根にバスケットの取っ手のようなものが見えた。
口に咥えて持ち上げてみると、雪の中から牧草と野菜が入ったバスケットが現れた。
「となかいさん、ありがとう」
つたない文字で書かれたメッセージ。
「僕、もう少し頑張ってみようかな」
先輩が小さく笑った。
「ほら、サンタが出てきた。後、889万8404件だ。急ぐぞ」
「はい!」
ファンタジー
公開:18/10/25 21:46
更新:18/10/26 12:28
更新:18/10/26 12:28
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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