朝焼けのアトリエ

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深夜と早朝の境目。
島一番の高台に構えたわが家を出て、さらに五メートルほどの高さに建てたツリーハウスへと登る。
扉を開ければ八平方メートルほどの部屋が広がり、大きく造られた窓の周りに、仕事道具がきっちりと並ぶ。
まだ薄暗い窓の前に立つと、私はそのガラスを左右へと押し開けた。
向こうに広がる景色は、海と空の境も見えない、静かなインディゴに染まっている。
並べられた仕事道具からパレットと筆、インクを取り上げた私は、インディゴの空へ厳かに筆を入れた。

うっすらと滲むレモン。
インディゴに溶けるベージュ。
まだらに広がるコーラルピンク。

パレットから次々にのせていく色がマーブルに混ざり、柔らかく空の色を変えていく。
夜と朝の色は遠すぎて、少しの手入れが必要なのだ。
私は部屋の中が少し明るくなったのを確認して、傍らへ筆を置いた。
今し方できたばかりの朝焼けへ割り入るように、海から朝日が生まれた。
ファンタジー
公開:18/10/25 21:01
更新:18/10/26 07:40

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