122. 月からのメッセージ

一つ年下の彼と付き合って5年、彼の仕事の都合で遠距離になって2年。今年のクリスマスの3連休は一緒に過ごそうと随分前から約束していたのにサービス業をしている彼は今年も一日も休みが取れないと申し訳なさそうに電話口で呟いた。
23日の夜は今年最後の満月。月が大好きで満月の日に願い事をすると大抵のことは叶うと信じてる私はその日に逆プロポーズをしようと思っていたのに…。
でもその日の夜着でプレゼントを送ったと言ったので当日私は家でのんびり過ごし待った。
…ピンポーン。チャイムが鳴り荷物が届いた。受け取ったら電話してと言っていたのでTV電話をしながら封を開けた。
「なにこれドンキで買ったの？月が天井に映し出せるってホント？」『そうだよ！部屋を真っ暗にしてスイッチを入れてみて』
月の画像と一緒にメッセージが映し出された。
『結婚しよう♡』「……泣」

カーテンを開けると本物の満月が燦然と光り輝いていた。