最上グレード
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父が死んだ。急性胃腸炎で救急搬送され、病院で一夜を明かした後だった。
霊安室で私達は父と対面した。
そこに、男性がやってきた。父が生前契約していた葬儀互助会の社員だ。
「この度はご愁傷様ですっ!」やたら声が大きい。
「お父様がご契約されていたコースのご確認をお願いします」
これが現実だ。他界した悲しみに浸る暇もなく、葬儀までのスケジュールが進む。
「お父様がご契約されていたコースですと、霊柩車はリヤカーになりますがよろしかったでしょうか」一段と声が大きくなる。
そのとき、父の手がピクッと動いた。ような気がした。
「次に祭壇のサイズですが、遺影がやっと乗るほどの、猫の額ほどの祭壇となります」もはや叫んでいるような声だ。
そのとき、父の顔が動いた。いや、起き上がった。「待て、俺が頼んだコースはもうちょっと上のグレードのはずだ」
「ご契約いただいた、『生き返りコース』が完了いたしました」
霊安室で私達は父と対面した。
そこに、男性がやってきた。父が生前契約していた葬儀互助会の社員だ。
「この度はご愁傷様ですっ!」やたら声が大きい。
「お父様がご契約されていたコースのご確認をお願いします」
これが現実だ。他界した悲しみに浸る暇もなく、葬儀までのスケジュールが進む。
「お父様がご契約されていたコースですと、霊柩車はリヤカーになりますがよろしかったでしょうか」一段と声が大きくなる。
そのとき、父の手がピクッと動いた。ような気がした。
「次に祭壇のサイズですが、遺影がやっと乗るほどの、猫の額ほどの祭壇となります」もはや叫んでいるような声だ。
そのとき、父の顔が動いた。いや、起き上がった。「待て、俺が頼んだコースはもうちょっと上のグレードのはずだ」
「ご契約いただいた、『生き返りコース』が完了いたしました」
その他
公開:18/10/22 15:37
スクー
やたら声が大きい霊安室
文章を書くのが大好きです。
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