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人の額に時計が見えるのが自分だけだと知った時、これは誰にも言ってはいけないと幼いながらに理解した。
額の時計が止まると、その人は死んだ。それは病気だったり事故だったり理由は様々だったが、針の動きが鈍ると、1日も持たなかった。
寝たきりの祖母の時計が止まりそうになった時、私は祖母の額に手を当てて、時計が元通りになるよう神様に祈った。
すると、奇跡が起きた。祖母の時計が再び動き出したのだ。
それから3日後、祖母は永遠の眠りについた。今度はどれだけ祈っても駄目だった。
その後、私は時計が止まりそうな人を見つけては額に手を当てる事を繰り返した。しかし、2度と奇跡は起きなかった。
理由はまだわからない。何故あの時だけ…。
私は度々、死人の第一発見者となるため、よく犯人だと疑われた。それでも諦めなかった。

もう一度。
いや、何度でも奇跡を。

それが、私、ナイチンゲールが看護の道を選んだ本当の理由。
ファンタジー
公開:18/10/23 22:47
更新:18/10/24 18:52
スクー 犯人になりがちなナイチンゲール

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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