トップ・オブ・ザ・すいか割り・イン・ザ・ワールド

「まっすぐ、まっすぐー」

目隠しされて2日が経った

「まっすぐー」

さすがにしんどい

「まだまだ、まっすぐー」
「ストップ、90度右ー」
「エスカレーターのるよー」

見えない分、音には敏感になる

【3番線、電車が参ります】

乗るのか？

【ガタンゴトン】

しばらく休憩だ

【次は〜羽田空港】

え、飛行機？

【まもなく離陸します】

耳栓をされた

何も見えない
何も聞こえない

プスッ

麻酔？

クソっ、こんなのに応募するんじゃなかっムニャムニャ…



ドドン

意識が戻ると同時に、体に衝撃を喰らった

どうやら着陸したらしい

「まっすぐまっすぐー」

そうだ、スイカ割りの途中だ

「左、左、そこ！」

僕は思い切り棒を振り下ろした！

衝撃はない…

失敗か？

「ブラボーー！」

目隠しをとると
奥に見える地球がマントルを吹き散らしながら真っ二つに割れていった