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セロリ臭い畑に突っ込み、スタックした。でも「売地」の看板を避けた俺、流石。
二年前、ダチに聞いた「セロリ畑の先の浜。朝一番の波はすごい」
間に合うか…
向こうから巨大なトラクターがセロリの匂いをぷんぷんさせてやってきた。俺は手を振る。老人が、無言でロープを結び、車を引っ張り出してくれた。
俺の「ありがと…」にかぶせて、老人が言う。
「波乗りか?」
「ええ。いいスポットだと聞いたもんで」
「今朝はやめとけ」
「?」
「数が多い」
老人はそう言って運転席に戻り、蛇行しながら遠ざかっていった。
運転下手だな…
十数分後。俺はボードに跨って、夜明けの水平線を見ていた。
「来た!」
俺はボードを反転させパドリングする。波が俺を高々と持ち上げる。
テイクオフ。
朝日に輝く砂浜。そこは、畑から押し寄せる緑色の何かに埋め尽くされていた。俺の車も…
この浜にセロリの匂いはしない。
二年前、ダチに聞いた「セロリ畑の先の浜。朝一番の波はすごい」
間に合うか…
向こうから巨大なトラクターがセロリの匂いをぷんぷんさせてやってきた。俺は手を振る。老人が、無言でロープを結び、車を引っ張り出してくれた。
俺の「ありがと…」にかぶせて、老人が言う。
「波乗りか?」
「ええ。いいスポットだと聞いたもんで」
「今朝はやめとけ」
「?」
「数が多い」
老人はそう言って運転席に戻り、蛇行しながら遠ざかっていった。
運転下手だな…
十数分後。俺はボードに跨って、夜明けの水平線を見ていた。
「来た!」
俺はボードを反転させパドリングする。波が俺を高々と持ち上げる。
テイクオフ。
朝日に輝く砂浜。そこは、畑から押し寄せる緑色の何かに埋め尽くされていた。俺の車も…
この浜にセロリの匂いはしない。
ホラー
公開:18/10/23 11:23
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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