居酒屋の最期 

6
7

仕事の残業を切り上げて、同僚と居酒屋に寄った。とりあえず、生ビールを頼む。つまみを頼む。
「刺身の盛り合わせを」 店員が「すみません、刺身、できないんです」「無いの?じゃ、サバの焼いたのを、」「あのー、魚系も無いんです」「ええ?」
店員は妙に当然のように言う。気を取り直して「じゃ、焼き鳥で、、」「あの、無いんですよ」 ガクッ、と思わず、机に突っ伏しそうになる。
同僚と「まあ、いいや。飲もう」と飲んでいると、さっきの店員が、隣のテーブルで客と話している。
それを聞いていた同僚が言う。「...なんかこの店、今日で閉店らしいよ」ええ?ホント? ふと見ると、店員は座敷の縁に、疲れた顔で座っている。
会計の時に、レジ横を見ると、「当店は○月×日に営業を終了いたします」の張り紙が。○月×日は、今日だ。同僚が言ったのは本当だった。
...これ、ウソみたいな本当の、昨日の金曜の夜の出来事です。
ホラー
公開:18/10/20 23:23
更新:18/10/21 01:37

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容