家族になろうよ

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君は幼い頃から泣き虫で何かあれば僕が助けてやらなきゃいけなかった。
そんな君は人付き合いが苦手で僕とずっとお飯事をしていたね。
君は僕に「将来絶対結婚しようね」って、よく言ってくれたっけ。

そんな君もついに結婚か…
僕は君の結婚式を少し離れたところから眺めていた。
さて…そろそろ僕も逝くとするか。

踵を返す僕の手を振り向けば君が掴んでいた。
何で?君にはもう僕が見えないはずだよ。
君に僕が見えていたのは霊感のあった子供の時だけだ。
それに何で触れるんだ?こんなこと今まで一度もなかった。

「離さないよ」
君は僕を引き寄せた。
周りは君のそんな行動に驚いている。やめろ。手を離すんだ!

「やだ!絶対に離さない!」
君は僕と一体化するように抱きしめた。

「今度こそ、絶対に産んであげるからね。お兄ちゃん」
その言葉に僕はやれやれとため息を吐き、君のお腹の中の赤ちゃんの隣にそっと座った。
公開:18/10/21 18:37
更新:18/12/16 18:58

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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