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主人の命で私がわざわざ地球までやって来たのには理由がある。栗拾いだ。そもそもの始まりは40年前。大量の栗饅頭を乗せたロケットが月面に落ちてきた。その栗饅頭は5分経つと倍に増えたが、主人はそれを「美味い美味い」と言いながら簡単に全て平らげた。そして、こんなに美味いものが地球にあるのかと、毎年、栗饅頭の材料を集めるために私を含めた大勢の召使いが地球に派遣されるのだ。
栗が実る森に降り立ち、私は兎型地球探査機『月読』拾伍式栗拾特化型を展開する。
赤目スコープで虫に喰われていない栗を選別。ウサミミ型トングで手際よく栗を拾い、兎の頬袋籠に放り投げていく。
あらかた取り尽くした所で、山の麓に設置していた兎のコロコロウンチセンサーが人間の接近を知らせた。私は籠一杯に詰まった栗を見て満足げに頷くと、月に帰還するため兎のオナラジェットを起動させた。
「また来年も美味しい栗を実らせてくれよな。バイバイーン!」
栗が実る森に降り立ち、私は兎型地球探査機『月読』拾伍式栗拾特化型を展開する。
赤目スコープで虫に喰われていない栗を選別。ウサミミ型トングで手際よく栗を拾い、兎の頬袋籠に放り投げていく。
あらかた取り尽くした所で、山の麓に設置していた兎のコロコロウンチセンサーが人間の接近を知らせた。私は籠一杯に詰まった栗を見て満足げに頷くと、月に帰還するため兎のオナラジェットを起動させた。
「また来年も美味しい栗を実らせてくれよな。バイバイーン!」
ファンタジー
公開:18/10/21 12:44
更新:18/10/21 23:18
更新:18/10/21 23:18
スクー
月に代わって栗拾い
ドラえもん
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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