電波人間

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俺の友人はいわゆる『電波人間』だ。隙あらば第四次空間にいる飼い猫の話を語り出し、暗黒星雲たるコークサックからの救難信号を捉えては悲痛に顔を歪める。自分の体は週一で宇宙船で透析しなければならないことを自己紹介で語るなど、初対面の人にも容赦ない。それ以外はとても普通ないいやつで、俺がいないと何にもできないコミュ障だ。
そんな俺達は、地下街で地震に見舞われた。灯りをつけて、と停電の中で誰かが騒いでる。俺が戸惑っていると、友人が気絶した。友人の口からは泡が出ている。
「ツーツー、第三次空間γ個体通信障害中通信障害中」
「おい、いまは電波やめろ」
腹を立てる俺に友人はブツブツ呟く。
「こちら国営局。ただいま地震が発生中、震度6、落ち着いて行動してください」
すう、と友人が目を覚ました。
「あれ、俺いま何を」
俺は無言で友人をぶん殴り眠らせた。電気が繋がらない今、ラジオの電波が欲しかった。すまん許せ。
SF
公開:18/10/19 15:43
眠れ安らかに お前今最高に輝いてるよ 停電時のラジオの有難さったら

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
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『枇杷の独り言』
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