ダッウン神の恥

天上界で「デスクワークをする姿が目につきます。あなた達はもっと現場へ行き人々を豊かにさせない」とお達しがあった。ウールーの神はしぶしぶ下界へ降り全身羊の毛を覆う羊男に変身した。その姿は思っていた以上に悪評が立ち山奥へ逃げ込んだ。ある日迷子の子供を助けた。その子供が高熱にうなされていると聞き、人間である自分が出来ることは何かと考えた結果、全身の毛を刈り込み羊毛をあげることだった。渡した後、天上界へ戻ったウールーの神は妙案を思い付く。村全体を羊毛人間にしてしまえば一度に沢山の幸せを感じさせられるのではないかと。早速実行に移すと予想以上の効果があった。その一部始終を見ていた神ダッウンがいた。彼は早速ある村の村人たちを全身羽毛にした。寒い冬は良かった。しかし暖かくなると羽を抜く事が出来ない村人たちは寒い国へ移動し始め苦しんだ。他神のアイデアを盗み取ったダッウンの神は自分の浅はかさを恥じた。