ドアの向こう側に進まなければいけない

私は、目の前のドアノブに手をかける。
開けば、暗雲の世界が続くと知っていながらも、その先に進むしかなかった。

ドアを開く・・・・・・

目の前には、ドーム型の天井から果樹の枝が垂れ下がっている洒落た庭ではなかった。

漆黒である。夜の帳と表現しては、黒の濃度が半減してしまい、ぼんやりとした様が目立ってしまう・・・・・・

私は、来た道に引き返したかった。が、そうはさせてくれなかった。

私の背中をひんやりとした風が押した。
人が背中を押したのではなく、天物が背中を押したのだ・・・・・・・

この先は、一切、終着点は見えない。
英文では、ピリオドをつければ、文章自体をひとしきり手早くまとめることが出来るが、それは出来ない。

私はおののきながら、先へ進んだ・・・・・・
闇に怯える獅子は咆哮すらできず、ただ固唾をのむばかりであった。