彼岸の君

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ふと気が付くと僕の目の前には巨大な橋があった。周囲を見渡すとあたり一面には青い海しか広がっておらず、目線の高さを考えるとどうやら僕は崖の上にいるらしい。

だがなぜここにいるのかが思い出せず、あまりにも脈絡のない現状にまるで夢を見ているかのようだ。
しかし、静かに響く波の音と潮のかおり…そして優しく肌をなでる風の感覚がこれを夢だと思わせてくれなかった。

兎角、何か行動しないと現状は変わらないだろうと考えた僕は橋の向こう側へと足を踏み出す。

一歩、また一歩と歩みを進めていると橋の先に人影が見えた。そしてその姿が露になった時、僕は驚愕を隠せなかった。

決して忘れもしない、幼いころからずっと傍にいた人、生涯を共に過ごすと約束した人、そして僕を置いて行ってしまった人。
僕の目の前にいる彼女は、記憶の中よりずっと若い姿をしていた。

そう、目の前にいた彼女は僕のーーー儂の、最愛の妻だった。
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公開:26/11/01 23:16

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