まだ足りない

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孔雀は、美しくなれば幸せになれると信じ、毎日羽を磨き、鏡の前でため息をついた。

きりんは、心が美しくなれば幸せになれると信じ、誰かを妬むたびに反省し、腹を立てるたびに自分を責めた。

豚は、嘘つきで、意地悪で、欲張りだった。

他人の食べ物を奪い、困っている仲間を笑い、悪いことをしても反省しなかった。

そんな豚が、泥の中で気持ちよさそうに昼寝をしていた。

「そんな汚い姿で恥ずかしくないの?」
孔雀が尋ねた。

「もっと立派な心を持ちたいと思わないの?」
きりんが尋ねた。

「君たちは幸せなの?」
豚が聞き返した。

「もっと美しくなれたらね」
「もっと心がきれいになれたらね」

豚は笑った。
「じゃあ、幸せになるまで大変だね」

そう言って、また泥の中に寝転がった。

孔雀は鏡を見つめ、きりんは自分の心を見つめた。

ふたりとも、幸せそうな豚の顔には気づかなかった。
公開:26/11/05 12:55
更新:26/11/05 13:06

独白世人( 日本 )

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