『おあずかりします』

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駅前に、悩みを預けられる店ができた。

一日五千円。
預けている間は、きれいに忘れられる。

俺は妻との不仲を預けた。

久しぶりに、花を買って帰った。
妻は驚き、それから笑った。

翌日も、その翌日も預けた。

一か月後、妻との仲はもう大丈夫だと思い、預けていた悩みを引き取った。

うれしくて、走って帰った。

家には、妻の荷物がなかった。

テーブルに、妻の字で書かれた預かり依頼書が置いてあった。

〈預かり依頼:夫と別れる勇気がないこと〉
公開:26/11/05 05:59
SF

独白世人( 日本 )

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