烏と共存

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早朝の静かな街を散歩すると、生ゴミ袋を突っつく烏達に出会った。
袋からこぼれた食べカスを、競い合う様についばんでいる。
横を通ると、烏達は一斉に飛び立つが数秒もしない内に舞い戻り作業を再開する。
道路にはゴミが散乱し、私はため息をつく。
その時、一羽の烏がこちらをチラリと見て嘴の端がニヤリと上がる。
人間よ、朝からご苦労さん。ゴミを出すのも、片付けるのも君達。
俺達は、朝食を頂いているだけさ。
更に別の烏は、電線の上で首を傾げながら鳴いた。
この街は、人間だけのものじゃない。俺達だって、共存しているんだよ。
私は思わず立ち止まる、烏達は顔を見合わせカアカアと笑って飛び去った。
翌朝、同じ場所を通るとゴミ袋の横に小さな木の実が一つ置かれていた。
あれは、彼らからの挨拶だったのだろうか。それとも、人間社会への挑戦状だったのか。
夜明けの街で、黒い影だけが知る秘密が、今日も静かに動き始めている。
ファンタジー
公開:26/10/23 12:15

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